Apr 07, 2011

東京行きの深夜バスに乗りました

夏休みの家族の東京旅行は、往復とも国、東京間の深夜バスを利用しました。深夜の高速道路はとても空いていて、交通渋滞などは一度もありません。深夜バスにはトイレが完備されており、トイレ休憩何度も休憩所に立ち寄ることもしませんでした。深夜バスに乗ることに浮いた交通費を使って華やかなディナーを食べました。
仕事柄、宮崎、鹿児島、熊本を行き来することが多くは、移動手段はいつも苦労します。特に、熊本から宮崎の移動は高速バスが便利です。車と電車​​の移動はゆっくりできないので、のんびりできるバスが楽で確実です。高速バスは、施設の安心感シートの広さなど一人で過ごす十分周りに気も使わずに終わった場合によっては、熟眠てしまっても、運転手が起こしたり、価格以外の安定感もあって、頻繁に利用しています。
 スマートフォンの普及やモバイルブロードバンドサービスの登場を軸に、変化が加速するモバイルIT業界。2011年はどのようになっていくのか。

【写真:インタビューの様子】

 前編に引き続き、モバイルIT業界のキーパーソン、NTTドコモの代表取締役副社長 辻村清行氏に聞いていく。

●Xiをドコモの競争優位性に

―― (聞き手:神尾寿) スマートフォン時代におけるキャリアの差別化において、インフラの部分はいかがでしょうか。KDDIは先日、モバイルWiMAX対応のスマートフォンを投入すると発表されましたが。

辻村清行氏(以下辻村氏) 我々は他キャリアに先駆けて、LTEサービスの「Xi(クロッシィ)」を導入しました。Xiでは屋外で下り最大37.5Mbps、屋内の一部エリアでは下り75Mbpsを実現していますので、これを積極的に活用していきます。そのほかにも、高度な帯域制御やフェムトセルにも取り組んでいます。これらの組み合わせで、今後のトラフィックの爆発的な増加に対応していきます。スマートフォンという観点では、2011年度中にはXiをスマートフォンに載せていきたいと考えています。

―― ドコモとしては、現行のFOMA(3G)とXi(LTE)の組み合わせを積極的に推進していく、ということですね。

辻村氏 ええ。今Xiに対応しているのはデータ端末のみですが、音声端末ではスマートフォン中心での対応になっていきます。あと、いま需要の高いモバイルWi-FiルーターのXi版も投入します。インフラ面でのモバイルブロードバンド化は強力に推進していきます。

―― Xi自体がモバイルブロードバンド時代におけるドコモの優位性になりますね。

辻村氏 そうです。Xiは通信速度が速いだけでなく、通信時の「遅延が小さい」という特長もありますので、これを生かしたアプリケーションなども考えていきたい。もっとも、こちらは今年すぐに実現するというより、もう少し中期的に取り組むものになります。

―― これはXi全体にいえるのですが、当面のライバルであるモバイルWiMAXが定額料金であるのに対して、Xiの基本料金プランは1カ月5Gバイト以上のユーザーに追加課金が発生する段階制になっています。今はキャンペーン期間ということで(月額の上限が4935円の)定額制になっていますが、Xiの基本的な考え方として定額制ではなく段階制の従量課金という方針は変わらないのでしょうか。

辻村氏 まだ最終的にどのようにするかは決め切れていませんが、Xiで完全・無制限な定額制料金ではなく、条件付きで段階的に料金が上がる定額制にするというのは1つの方向性だとは思っています。やはり超ヘビーユーザーに相応の負担をしていただくという考え方は必要ではないでしょうか。例えば現状を申し上げますと、我々のデータ通信キャパシティの3分の1を、わずか1%のお客さまが使用しているのです。これは健全な姿ではないと思うわけです。

 ドコモとしては、より多くのお客さまに公平に我々のネットワークを自由に使っていただきたい。そこで大量にデータ通信を行う一部のお客さまに応分のご負担をいただくことで、トラフィックの爆発的増加を抑制したいのです。

―― それは現在も実施している帯域制限では対応できないのでしょうか。

辻村氏 すでに帯域制限は始めていますが、公平性という観点では料金面での施策も必要だと考えています。

●2011年もう1つの注目は「モジュール市場」

―― 2011年の重要なテーマは「スマートフォン」ですが、それ以外に注目のトピックスというのはありますでしょうか。

辻村氏 1つは「通信モジュール」ですね。2011年はさまざまなデジタル機器にモジュールが内蔵されていく年になるでしょう。例えば、デジタルカメラやクルマなどへのモジュール内蔵は注目ですね。

―― なるほど。すでにドコモの通信モジュールは、日産自動車の電気自動車「リーフ」に採用されるなどクルマ市場でも広がっています。このあたりは注目といえそうです。

辻村氏 通信モジュールの広がりは、さまざまな形があるでしょうね。一般的なコンシューマー向けのデジタル機器などはもちろん、例えばエアコンの監視・制御用などで白物家電に導入されるといったことも十分に考えられます。いろいろなところで、モバイル通信モジュールを活用したIT化というものが広がっていくでしょう。

―― 家電の監視ですと、ユーザーが直接的に利用するような用途の他に、例えば安全性の問題からリコールが必要になった製品を効率的に見つける、といった使い方も考えられそうです。

 ただ、こういった通信モジュールの広がりには2つ必要な要素があります。1つが「通信モジュールが安くなること」、そしてもう1つが「モジュールを組み込んだ製品に合わせて、柔軟な料金体系が作れるか」です。

辻村氏 それはおっしゃるとおりですね。通信モジュールのビジネスを本格化するには、その2つが重要になります。

 まず料金体系の点ですが、例えばエアコンなど家電に組み込んだ場合は日々のトラフィックはたいして発生しません。通信速度もいらない。こういった用途にあわせて料金プランを開発していく必要があります。またモジュールそのものの価格についてですが、ここは「どれだけの需要を作れるか」が鍵になります。モジュールはとにかく数(が価格に反映されるわけ)ですから。ここはデジタルカメラやポータブルゲーム機のようなものが“通信内蔵”を前提にしたものになれば、解決する部分です。

―― 今の時代ですと、デジカメもポータブルゲーム機も「ネットにつながる」ことがユーザーとメーカー両方のベネフィットになることは間違いありません。ですから、逆説的に言えば、“市場を作り、モジュール需要を拡大する”ための前提条件は、やはり通信料金の部分でしょう。AmazonのKindleもそうですが、料金体系を柔軟に設計できるかが、全体の需要喚起の鍵になります。

辻村氏 それは理解しています。これまでの基本料金+利用料という料金体系は、携帯電話など人が日常的に使う通信機器であることを前提に考えられています。しかし、M2M(Machine to Machine)市場の場合では使用環境・使用条件がまったく違いますからね。モジュールが利用される製品や市場に合わせて、これまでと違う料金体系を柔軟に作っていく必要があるでしょうね。

 あと、もう1点、通信モジュールの普及に欠かせない要素として「組み込み型SIM」もあると考えています。これは先般GSMAで発表しましたが、SIMカードは最初からモジュールに組み込まれていて、オンラインで契約と番号の書き込みができるというものです。

 むろん、この組み込み型SIMはセキュリティがきちんと担保されていなければなりません。しかし、これが実現すると、例えばコンシューマー向けのデジタル端末や家電でのモジュールの運用がしやすくなる。ドコモとして、この組み込み型SIMの実現にも注力しています。

●NFCスマートフォンはドコモがリードしたい

―― もう1つ2011年注目のトピックスとして、NFCがあると思います。既報のとおり、GoogleがAndroid 2.3「Gingerbread」でNFCを正式サポートし、リファレンス機の「Nexus S」に搭載しました。世界的に見て、スマートフォンにNFCを搭載する流れができはじめています。

 一方、日本ではこれまでドコモとソニーが中心となってFeliCaを採用した「おサイフケータイ」を推進し、モバイルインターネットと非接触ICの連携では世界に先駆けてきました。このNFCスマートフォンの動きにどのように向き合うのでしょうか。

辻村氏 日本のモバイルIT業界にとって、NFCは1つの点で今後重要なテーマになっていきます。

 1つはGoogle、そして世界各国のオペレーターもNFCに注目しており、Android端末では正式サポートという流れになっているということ。今年はNFC搭載のスマートフォンが立ち上がってくる年になるでしょう。

 そして、もう1つが、日本のモバイルIT業界は非接触ICの活用という点で、(2004年のおサイフケータイ開始から)6年も先行しており、ノウハウを持っていること。これを海外に展開するチャンスが、世界的なスマートフォンへのNFC搭載の流れの中で出てきているわけです。

―― 日本では交通IC分野での普及からFeliCaベースの「モバイルFeliCa」となりましたが、モバイル端末での非接触IC活用というスキームやビジネスモデル設計の部分は、今後のNFCスマートフォン向けのサービス開発でもノウハウが役立ちそうですね。

辻村氏 そうです。また、おサイフケータイの時には、さまざまな異業種と連携して、モバイルサービスのリアル連携を行いました。マクドナルドの会員証や航空会社の電子チケット、流通小売りから飲食店のポイントやクーポンのサービスまで、幅広い分野でのサービス開発の実績があるわけです。ここでのノウハウや(開発された)要素技術をどうやって海外に持って行くかという視点はとても大切です。

―― 海外展開まで視野に入れると、NFCの中のタイプAとタイプBの活用が中心になる、ということになるのでしょうか。

辻村氏 そうですね、現状で海外で普及しているのはタイプA/タイプBが中心です。しかし、海外のオペレーターと話をしていると、将来的なNFCの普及においては、交通IC分野でFeliCaが活用される可能性はゼロではないと思いますね。ですから、NFCスマートフォンにおいては、タイプAとタイプBの活用のほか、(日本ではすでに普及が進んでいる)モバイルFeliCaとの共存をどうするか、というのも考えていかなければなりません。

―― NFCとモバイルFeliCaの関係で言えば、ドコモも出資しているフェリカネットワークスの位置づけや役割をどうするか、も重要なテーマになります。ここも検討課題に入っている、と。

辻村氏 そのとおりです。そこは(共同出資者であり、FeliCaの開発元である)ソニーとも協議し、FeliCaの世界戦略と今後のNFCへの対応をどうするのか、フェリカネットワークスを今後どのように位置づけていくのかをしっかりと考えていきます。そういった観点でも、今年は重要な1年になるでしょう。

―― ドコモはおサイフケータイを推進するリーダーだったわけですが、世界的なNFCスマートフォンの流れには乗りたい。この分野をリードしていきたい、ということでしょうか。

辻村氏 そこはリードしていきたい。おサイフケータイで蓄積した、6年の経験値をいかします。むろん、モバイルでの非接触ICの活用はドコモ1社では実現できません。実際にリアルでサービスを提供する様々な事業者との関係が重要になっていきますが、パートナーの皆さんと連携しながら、NFCスマートフォン分野をドコモがリードしていきます。この取り組みは今年から始めます。

●「オープンイノベーション」のアライアンス戦略

―― 今後のアライアンス戦略はいかがでしょうか。昨年はEvernoteとの提携を筆頭に、インターネット系のサービスを展開する企業とのアライアンスも強化されていましたが。

辻村氏 まず基本的な姿勢として、我々はテレコム事業者ではありますが、スマートフォン時代においてインターネットの世界に組み込まれている、と考えています。このインターネットの世界に入ったことで、世界中の数多くのデベロッパーとの接点が広がりました。テレコム事業者であった時代には技術は自らの研究所で作るものという発想でしたが、インターネットの1プレーヤーとなった今はそうではありません。広いインターネットの世界で開発された数多くの技術をいかに見つけて取り入れていくかという考え方が、もっとも重要なわけです。いわば、オープンイノベーションです。

―― 自らの開発した技術のみに固執しない、と。イノベーションに対してオープンな姿勢で臨むということでしょうか。

辻村氏 そのとおりです。インターネット時代に適したよいサービスやイノベーションがあれば、(他社よりも)早い段階から取り入れていく。サービス連携や業務提携だけでなく、将来性があり必要があれば、資本を入れて自らのイノベーションに取り入れていく。インターネットの世界でのイノベーションは、シリコンバレーだけでなく、欧州やイスラエル、アジアの国々など世界中で生まれている。ここからいち早く有望なものを見つけて取り入れるスピード感が重要です。

 そして、その上で、世界中から取り入れたイノベーションをドコモの中でサービスとして進化させた後に、再び世界に向けて使っていきます。

―― アライアンス戦略の中でドコモが取り込んだものを、囲い込むのではなく、フィードバックする、と。

辻村氏 そこでドコモは触媒の役割を担うと考えています。新たなインターネットの技術をドコモのサービスとして展開し、モバイルではどう活用できるかを試す。そして、ビジネスモデルが確立されたら、海外のオペレーターに輸出していきます。

 この輸出のやり方として、Tata DOCOMOのようにドコモが出資するオペレーターに展開する方法もありますし、(ドコモが買収したドイツの)net mobileのようにコンテンツプラットフォーマーを通じて展開する方法など、いろいろな形があるでしょう。

 モバイルIT業界がインターネットの中に入ったことで、イノベーションのスピードは確実に早くなります。ここで重要なアライアンスの考え方が、オープンイノベーションなのです。

●インターネットのモバイル化が世界的に起きる

―― 2011年。急速に進化するモバイルITとインターネットの世界において、モバイルIT業界はどのような視点を持つべきでしょうか。

辻村氏 今や世界のモバイル人口は50億人。全体の80%が携帯電話を持っていますが、これがスマートフォンに置き換わることで、近い将来は50億人が直接インターネットにつながる時代になります。これは誰もが経験したことがない「未知の世界」です。いわば、地図のない世界ですね。

 この世界中の人々がスマートフォンでインターネットにつながる時代においては、まだまだ新しいことが起きてくるでしょう。さまざまなビジネスも生まれてくる。とてもワクワク感のある時代に入っており、一方で、モバイルIT業界にとってチャンスも大きいと言えるでしょう。

―― iモードの時よりも、今回はさらに大きな成長期になりそうですね。

辻村氏 ええ。量的な面では、今回は世界規模ですし、今回はインターネットそのものという質的な部分での大きな要素も加わりました。インターネットのモバイル化が、世界的に起き始めている。2011年は、それが本格化していく1年になるでしょう。


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